すべての世代に知ってほしい!アルツハイマー病ってこんな病気です!

メンタルケア

 

アルツハイマー病は、糖尿病と同じように増え続けている「生活習慣病」です。

「えっ、アルツハイマーって、認知症の一種だよね?生活習慣病なの?」と考える方が多いと思います。私もその一人でした。

この記事では、アルツハイマー病について見ていきます。

 

アルツハイマー病は生活習慣病

 

 

生活習慣病とは、老化を基盤とした病気で、根本的には治癒することがない病気のことをいいます。予防努力を促すのが目的で、生活習慣病という病名を付けて、ひとくくりにしているだけなのです。

生活習慣病として挙げられる病気には、高血圧症、虚血性心疾患、大動脈瘤、脳血管障害(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血など)、各種のがん、アルツハイマー病、2型糖尿病、歯周病などがあります。

これらの病気の原因は、遺伝子の修復ミスの積み重ねで起こります。

日常生活で繰り返されるストレス、喫煙、自然からの放射線や紫外線、食物中の化学物質などによって傷ついた遺伝子が、修復されずに積み重なることで起こるとされているのです。

修復ミスの積み重ね=老化、ということになります。

生活習慣病の中で、特に増え続けているのが、2型糖尿病とアルツハイマー病です。2型糖尿病がキングなら、アルツハイマー病はクイーンの位置付けです。

 

アルツハイマー病の症状と進み方

 

 

アルツハイマー病の初期の典型的な症状では、「いつ、どこで、誰が」という基本的なことが分らなくなります。

この症状は、時、場所、人の順で進行していくとされています。

計算能力が衰え、お金の管理ができなくなり、医者から処方された薬を管理することも出来なくなるのです。

進行すると、計画を立てたり、順序だてて行動したりすることができなくなります。さらに進むと、服の着方や歯ブラシの使い方が分からなくなり、読み書きや会話が困難になります。

中核的な症状としては、幻覚、嫉妬妄想、言葉や行動の粗暴化、異常な食行動、徘徊、睡眠障害、抑うつ、不安などの症状があります。

ただ、これらの症状には、患者のこれまでの環境、生活歴、教育歴、人格、人間関係などによって現れ方に違いがあるようです。

 

アルツハイマー病は海馬を損傷する

 

 

アルツハイマー病は、脳の記憶をつかさどる領域である「前頭葉」の活動に影響を与えます。前頭葉を構成している海馬と海馬傍回を損傷するのです。

「我思う故に我あり」と言ったのはデカルトですが、この「我」を形成するのに重要な働きをするのが海馬です。

海馬は、時間の流れと記憶を組み合わせることで、自我を形成します。

記憶には、いくつかの種類があります。


・短期記憶|数分前から数日ほどの間の記憶

・長期記憶|陳述的記憶と手続き的記憶

・作業記憶|注意を向けている間だけの記憶

・即時記憶|今何に注目しているかという記憶

 

アルツハイマー病は、短期記憶に最も影響を与えます。いわゆる「物忘れ」です。

長期記憶の陳述的記憶は、さらに生活記憶と意味記憶に分けられます。

生活記憶とは、いつ、どこで、何をしたかの記憶です。意味記憶とは、知識や学習に基づく記憶です。

長期記憶の中の手続き記憶とは、運動機能やゲームのルールなどの記憶になります。自転車に乗ったり、ゲームに夢中になったりできるのは、この記憶があるからです。

手続き記憶は、大脳基底核や小脳が担当しています。

作業記憶とは、電話番号のように、必要でなくなるとすぐに忘れてしまう記憶です。即時記憶は、「現在」という瞬間の思考の流れを決めます。

アルツハイマー病は、海馬を損傷し記憶に影響を与えるため、患者に「自分を見失ってしまう」症状を引き起こすのです。

 

アルツハイマー病の原因物質とは

 

 

アルツハイマー病を直接的に引き起こしている原因物質は、アミロイドβタンパクです。

アミロイドβタンパクは、脳の中の絹糸のような強靭な線維性のタンパク質です。アミロイドβタンパクが神経細胞の外の間質に過剰に蓄積してしまうと「老人班」という塊りをつくります。

この「老人班」が原因となって、神経細胞が次々と死んでいく連鎖反応を起こすのです。連鎖反応が重篤化すると、アルツハイマー病が発症します。

 

アルツハイマー病の危険因子とは

 

 

アルツハイマー病を発症させる危険因子には、次のようなものがあります。

糖尿病、脳血管性の障害、家族歴、特定の遺伝因子、喫煙、アルコール性飲料の多飲、高血圧、脂質異常症、不適切な血圧降下剤の使用、難聴などです。

両親のどちらかがアルツハイマー病の場合には、発症する危険性は10%から30%に上昇します。特にその親が早期発症の場合は、さらに危険率は上がります。

早発性遺伝性アルツハイマー病は、40代50代で発症し、症状の進行も早いとされています。

過剰で継続的な音や光などの感覚的刺激は、老化を促進させますから注意が必要です。鼓膜や網膜は、繊細で、脳と直接的につながっています。

最近では、スマホで音楽を長時間視聴するのが一般的になっていますが、アルツハイマー病患者を急速に増大させる要因になるのではと危惧されています。

 

まとめ

 

 

アルツハイマー病は、近年、急速に発症者を増やしています。現代社会には、アルツハイマー病を発症させる要因が溢れているからです。

アルツハイマー病は老人病とも呼ばれる生活習慣病です。避けて通れない病気ではあるのですが、発症を遅らせたり、症状を軽減させたりすることはできます。

そして、アルツハイマー病の疑いを感じたら、早期に医療機関を受診することをおすすめします。どんな病気も、早期治療に優るものはありません。

 

 

 

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