メディカル(医療)ダイエットとは、医療機関において、医師のサポートを受けながら体重を管理することをいいます。
一般的な食事制限や運動によるダイエットが続かない、一定期間ダイエットが続いても結局リバウンドしてしまう、ダイエットしなければならないという強迫観念がストレスになってしまうという方におすすめです。
また部分痩せしたい、少しでも早く結果を出したいという方にも向いているのがメディカルダイエットです。ただ、どのような副作用があるのか、脂肪吸引やメスを使う施術を避けることはできるのかなど不安や疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、メディカルダイエットを検討している方のために、以下のことを紹介します。
- 治療の前に知っておいてほしいポイント
- メディカルダイエットのメリット・デメリット
- メディカルダイエットの治療の流れや注意点
- メディカルダイエットでよくある質問と回答
ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
メディカルダイエットとは?
メディカルダイエットとは何かを理解しようとするとき、痩身エステと比較すると分かりやすいです。メディカルダイエットと瘦身エステの違いを表にまとめました。
メディカルダイエット | 痩身エステ | |
施術する場所 | 医療機関 | エステサロン |
施術者 | 資格を持った医師 | エステティシャン(特別な資格は必要ない) |
施術内容
|
・内服薬 ・サプリメント ・注射 ・点滴 ・医療機器 |
・ハンドマッサージ ・サウナ、温浴 ・痩身マシン ・その他 |
使用する機器
|
・医療HIFU(高密度焦点式超音波治療) ・脂肪吸引 ・クールスカルプティング(脂肪冷却治療 ・医療電磁波EMS ・ラジオ波(高周波) ・その他 |
・痩身マシン(医療機器ではない) ・超音波 ・ラジオ波(RF) ・遠赤外線 ・EMS(電磁パルス) ・その他 |
期待できる効果
|
・脂肪細胞の破壊 ・体脂肪の減少 ・食欲を抑えられる ・痩せやすい身体ができる ・糖質・コレステロールの吸収を抑え ・気になる部分だけ痩せられる ・その他 |
・リラックス効果 ・むくみ解消 ・基礎代謝向上 |
必要になる期間
|
1~3ヶ月が目安 早い人は1ヶ月間で数キロの減量が可能 |
週に1~2回3ヶ月以上 (継続しないと効果は失われていく) |
起こる可能性のある副作用
|
・薬剤による副作用 ・食欲減退、下痢、便秘、脱力感、倦怠感など ・医療機器による副作用 ・治療時の軽度の痛み、赤み、むくみなど |
痩身マシンを起因とする ・施術中の不快音 ・皮膚のたるみ ・肝臓への負担 ・胃腸の不調 ・施術部位の赤みや内出血 ・その他 |
費用相場
|
3ヶ月で60,000~300,000円
(選ぶプランにより違う) |
1回当り20,000円(週2回12週で480,000円)
|
メディカルダイエットと痩身エステで似た機器を使用していますが、その出力や機能に大きな差があります。
メディカルダイエットでの施術に向いているのは、以下のような方です。
- 部分痩せしたい
- 自力でのダイエットは続かない
- 健康上の理由から減量が必要
- 費用がかかっても確実に痩せたい
痩身エステは、リラックス効果や疲労感の回復、一時的な代謝向上では効果の実感があります。しかし本気でダイエットに取り組むのであれば、メディカルダイエットが近道であり、結果的に費用を抑えることになります。
メディカルダイエットの種類と概要
医療行為によるダイエットは、科学的なエビデンスに基づく施術メニューで構成されています。施術メニューは、大きく以下の3つの種類があります。
- 内服薬やサプリメントによるダイエット
- 注射や点滴によるダイエット
- 医療機器によるダイエット
上記の施術メニューをすべてのクリニックが揃えているわけではありません。自分が受けたいというメニューが決まったら、事前にクリニックに確認しておくことが必要です。
内服薬・サプリのよるダイエット
代表的な「痩せる内服薬」の種類と効果をまとめました。
・SGLT2阻害薬
SGLT2はブドウ糖を血液に循環させる働きがあるため、これを阻害して体全体の糖の量を減らすことで体重の減量を目指します。食欲を抑制する働きはありません。
・リパーゼ阻害薬
食物は体内でリパーゼなどの消化酵素によって分解され吸収されます。これを阻害することで、体に吸収される脂肪を減らすことができます。
・食欲抑制剤
食欲抑制剤とは、食欲に関するホルモンや神経に働きかけて食欲を抑制する薬の総称です。BBXやサノレックスなどが挙げられます。特にサノレックスは、厚生労働省が肥満治療薬として認めている薬です。
これらの薬で、まれに起こる副作用には、便秘、吐き気、胃のむかつき、低血糖、尿路感染症などがあります。
注射・点滴によるダイエット
体に製剤を注射したり点滴したりしてダイエットを目指す施術があります。点滴の1回の所要時間は20~30分程度です。
主な注射・点滴の種類についてまとめました。
・GLP-1(注射・服用)
海外で肥満治療に用いられ高い効果と安全性が示されており、近年わが国でも人気の高いホルモン剤です。(詳しくは後述します)
・脂肪溶解注射
脂肪を分解する製剤を注射器で注入し、脂肪細胞の数を減らします。二の腕、太もも、お腹、顔など痩せたい部分に注射します。効果は術後3日程度で現れ、ダウンタイムはほとんどありません。
・ダイエット点滴
ダイエット点滴に使われる薬剤はクリニックによって違いがありますが、代表的なのはαリボ核酸(ビタミンC、Eの400倍の抗酸化作用)とLカルニチン(脂肪を焼却しやすくする)を配合したものです。他の痩身メニューや有酸素運動を併用することで、さらに高い効果を期待できます。
その他の脂肪燃焼点滴としては、プラセンタ注射、ニンニク注射、白玉点滴などがあり、美容効果も高いです。
医療機器によるダイエット
メディカルダイエットの中心となるのは、やはり医療機器によるダイエットです。痩身エステで使用されるものよりも、高出力、高機能となっています。
メディカルダイエットで使用される主な医療機器の種類と概要をまとめました。
・医療ハイフ
高周波技術によって脂肪細胞を集中的に破壊、リバウンドなしでの部分痩せが可能。高度な冷却機能が搭載され、外用麻酔との併用で施術中の痛みを軽減している。
・ボディ医療ハイフ
超音波エネルギーを使用して体のさまざまな部位にダメージを与えることなく脂肪細胞を破壊する。特に、二の腕、腹部、太もも、ふくらはぎ、背中などが代表的な部位。リフトアップや引き締め効果も期待できる。
・医療ラジオ波
RF(高周波)エネルギーで細胞に摩擦を起こし体内温度を上昇させ、血行を促進させることでセルライトや老廃物を輩出しやすくする。むくみ・冷え性などの改善に用いられることも多い。
・医療直流EMS
体内に電気を通して、筋肉全体を大きく筋収縮させ、通常の筋トレでは難しいインナーマッスルにまでアプローチする。脂肪を燃焼させながら、適度な肉量は維持できるので、基礎代謝の低下を防ぎリバウンド防止にもつながる。
・医療用エンダモロジー
吸引によって持ち上げた組織を独立駆動型ローラーによってマッサージすることで、バランスのとれたボディラインを得ることが期待できます。特に老廃物や脂肪の代謝促進、セルライト除去に効果的だとされています。
・脂肪吸引
吸引部の脂肪層に、止血効果のある薬剤と局所麻酔剤を生理食塩水で希釈して注入し、皮膚の目立たないところに数か所小さく切開し、カニューレにより脂肪を吸引します。近年、ボディジェット吸引、バッカルファット除去、メーラーファット除去、ジョールファット除去など部位に応じて吸引・除去方法は多様化しています。
・クールスカルプディング
クールスカルプティングは、脂肪減少作用について、厚労省が唯一認証している医療機器です。脂肪組織が他の組織よりも低温に弱いという性質を利用し、脂肪だけを冷却して脂肪細胞を除去します。
メディカルダイエットの薬剤「GLP-1」
現在、メディカルダイエット薬で最も注目されているのが、GLP-1です。正式には、GLP-1受容体作動薬と呼ばれています。
GLP-1は、元々、糖尿病の治療薬として利用され、わが国でも2型糖尿病の治療薬として承認されています。アメリカでは肥満治療薬として承認されているのですが、わが国ではまだ承認されていません。
GLP-1の注射や服用で期待できる効果を以下にまとめました。
- 自宅で簡単に自己注射が可能である
- 胃の動きを抑制し自然に食事量を現象させる
- 脳に作用し食欲を抑制し早期に満腹感が得られる
- 消化がゆっくりと行われるようになり満腹を感じやすい
- 食事時にインスリン分泌を促進し血糖値の急上昇を抑制する
上記の作用により、体重の減少、内臓脂肪を燃焼し基礎代謝が向上することによりダイエットが可能となります。
メディカルダイエットのメリット
メディカルダイエットは、医師のサポートを受けながらの治療ですから安全性の高いダイエットです。そのほかのメリットについてまとめました。
- 過度な食事制限をせずに瘦せられる
- 無理な運動をすることなく痩せられる
- プランが決められるので継続しやすくリバウンドしにくい
- 自己判断だけの減量による老け込みや肌荒れを防止できる
以上がメリットになりますが、食事制限や運動が全く必要でないということではありません。食生活の改善と適度な運動は、誰にとっても必要な健康の基本であることは忘れないでください。
メディカルダイエットのデメリット
ここでは、メディカルダイエットのデメリットについて紹介します。
- 副作用が生じる可能性がある
- 施術内容によってはダウンタイムがある
医療による薬物療法には、高い効果が期待できる反面、どうしても副作用が生じる可能性があります。また施術内容によっては施術後のダウンタイムが避けられません。
この2点について、医師にしっかり確認し事前に心の準備をしておきましょう。ただ何かあっても医療機関のサポートがありますので、その点は安心できるはずです。
メディカルダイエット治療の流れ
メディカルダイエットの一般的な治療の流れを紹介します。
①カウンセリング
資格のある医療従事者による問診や検査により、体重が増える原因や肥満と関係した疾患の評価を行う。身長や体重などから目標とする体重に至るまでの最適なプランの提案。
②採血
治療前や治療経過中に血液検査を行い、血糖値、栄養状態、コレステロール値、ミネラルバランスなどを確認する。
③使用方法のご説明
薬剤の服用や自己注射がある場合は、その使用方法の説明。医療機器を使用する場合は機器の概要や施術方法、まれに起こる副作用についての説明を行う。
④検診
定期的に体重の変化や血圧、心拍数の確認などを行う。また治療を開始してから一定期間が経過しても5%以上の体重減少がなければ新たな提案や薬剤の変更を行う。
メディカルダイエットは、医師との二人三脚で行われるものと捉えてください。アドバイスにきちんと従い、自分の状態についても正直に伝えることが、安全で安心なメディカルダイエットの基本です。
メディカルダイエット治療の注意点
メディカルダイエット治療は、食事制限や運動をしなくてもダイエット効果が見込める、医学的な根拠に基づいたダイエット方法です。ただ、いくつかの注意点に留意して行わないと、効果を実感できなったり体調不調になったりすることがあります。
- 事前に必ず医師の診断やカウンセリングを受ける
- 通院中は自己判断で市販品を買うことは避ける
- 服用する薬剤については必ず用法・用量を守る
- 副作用などが出た場合はすぐに医師に相談する
- 医師の指導にない海外通販(個人輸入)は控える
医師は検査や問診で積み上げられたデータを元に診断します。医師の知らない、自分の判断だけでの服用や注射は危険ですから絶対にやめましょう。
メディカルダイエットによくある質問
メディカルダイエットを検討するときに、よくある質問と一般的な回答をまとめました。
Q治療の安全性は
医療機関では、安全性に問題がないと確認された薬剤を使用しています。その他の施術についても資格と経験のある医師が担当しますので安心です。
ただ医療行為ですので、すべての方に副作用が100%ないということはありません。不安があるときは、事前のカウンセリングで納得いくまで相談することです。
Q受診の年齢制限はありますか
まず未成年者は保護者の同意が必要になります。
上限については、一応の目安として、脂肪吸引は50歳くらいまでとされているようです。それ以外のメディカルダイエットについては、特に上限はないとされています。重要なのは、事前の検査に基づいた医師の判断です。
Q自分で注射する際、痛みはありますか
現在使用される注射の針は、髪の毛ほどの細さで、長さもごく短いものです。一般的にはほとんど痛みは感じないとされています。ただ使い方を間違うと痛むことがありますので、クリニックで注意事項をよく聞いて注射するようにしましょう。
Q本当に食事制限の必要はありませんか
メディカルダイエットでどのような治療を受けるかで違いますが、自分だけでやるダイエットの食事制限に比べると格段に緩いものとなるはずです。だからといって、暴飲暴食してもOKということにはなりませんから、ある程度の自制も必要になります。
メディカルダイエットのクリニックの選び方
メディカルダイエットの需要が右肩上がりなので、施術ができるクリニックの数も以前に比べると格段に増えています。そのため自分が目指すダイエットに合ったクリニックを探すには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
以下は、失敗しないクリニック選びのためのポイントをまとめましたので参考にしてください。
- メディカルダイエットで実績があること
- 通院可能なエリアにあるクリニックか
- 診療時間や曜日は自分の生活にマッチしているか
- 自分が目指す診療内容に対応しているか
- ホームページは過剰な広告をしていないか
以上をチェックして候補を絞り込み、試験的に、実際に電話やメールをして対応の良し悪しを確認してみてください。
またダイエットのほかに美容効果を期待していたり、できる限りオンライン診察を利用したりしたい場合は、それらの確認も忘れないようにしましょう。
まとめ
ここまで、美容と健康に高い意識を持つ方、健康上ダイエットを実現しなければならない方などに広く利用されている「メディカルダイエット」について紹介してきました。
内容は以下の通りです。
- メディカルダイエットとは?
- メディカルダイエットの種類と概要
- メディカルダイエットのメリット・デメリット
- メディカルダイエットの治療の流れや注意点
- メディカルダイエットによくある質問
- メディカルダイエットのクリニックの選び方
メディカルダイエットがこれほど注目されているのは、安全性と効果の実感の高さでしょう。またダイエットと同時に美しい肌にも向かうことができる点も高く評価されています。
ただ、性急に取り組むことなく、事前に一般的な知識だけは見ておくべきだと考えます。そのほうが失敗や後悔は少なくて済むと考えられますので。
そのために、この記事が少しでも参考になっていれば幸いです。
関連記事
ヒゲ脱毛はメンズ専門クリニックでの医療レーザーが安心で効果的!
多汗症やワキガで「もう悩みたくない」という方へ!ミラドライなら1日で解消!
薄毛男性の髪と頭皮の最上レベルを目指す!最新のヘアケア・アイテムを紹介