ツボ押しは、東洋医学の治療の一つです。
東洋医学は、全身は体の器官や組織が統合された存在で、そのバランスが崩れると病が引き起こされると考えます。
元々、中国発祥の学問なので、関連書籍には難しい漢字が頻繁にでてきます。そこにとっつきにくさを感じる人も多いです。
この記事には、陰陽五行も五臓六腑もでてきません。経絡や原穴、気血水も省略されています。
私自身、専門家ではないので、難しいことは説明できませんし。ただ、ツボと称される体の部位を押すことで、体調が上がることは体験として語ることができます。
ツボ押しは、お金もかからず副作用もありません。いつでもどこでも簡単にできる、究極のボディケアなのです。
ツボ押しが体に効くことはWHOも認定
全身には、WHO(世界保健機構)が認定したツボだけでも、361個点在しています。
ツボを押して刺激することで、血流や臓器が活発になって、体調が整えられることは世界的にも認められたことなのです。
健康であれば、ツボを押しても痛みはありませんが、反応がある場合には異常がある可能性があります。
体の異常に反応するツボは、押すと痛みやしこりがあるため見つけやすいのです。そして刺激はダイレクトに問題点に届き、症状にアプローチできます。
ツボ押しには、決められた時間も準備もいりません。思いついた時に押すことができます。
自分の生活スタイルに合わせて、ツボ押しを取り入れることができるのです。
ツボ押しには副作用がありません。押すことで悪い作用を起こすツボはないからです。
シニアには、慣れない姿勢やきつい運動は向きません。ツボ押しは、年齢や性別を問わず、
簡単に取り組むことができるボディケアだといえます。
※持病がある方は、念のため、かかりつけ医に相談してから行ってください。
ツボの正しい位置の見つけ方と押し方
ツボの位置は、人によって違いがあります。骨格や筋肉の付き方は、人それぞれだからです。
シニアに試してほしいツボの位置は後述しますが、ここでは、ツボの正しい位置の見つけ方と押し方のコツを紹介します。
ツボの見つけ方のコツ
ツボの位置に当たりをつけたら、ありそうなところをなでたり軽く押したりしてみてください。
次のよう反応があれば、そこはツボです。
- 鈍い痛みを感じる
- 気持ちよさを感じる
- コリッとしたしこりを感じる
- ツーンと響くような感覚がある
一番頼りになるのは、自分の感覚です。後述する標準的なツボの位置は、参考程度に捉えてください。
また、押すタイミングやその日の体調などによって変わることがあります。
よく使ってだるいところ、逆に動かさないでコリが溜っているところ、冷えているところ、筋肉が貼っているところなどに反応が出やすいです。
ツボの押し方のコツ
ツボの押し方にはコツがあります。ただやみくもに押しても効果的ではありません。
ツボは、親指か人差し指を使って押すのが基本ですが、いろいろ試して自分が一番押しやすい指を使ってください。
1回3~5秒間、体の中心に向かって押します。ゆっくり力をかけて押したら、パッと離します。
長くても1~2分です。それ以上押すと腫れや痛みにつながることがあるので注意です。
首や目の周りは繊細なので、やさしく押しましょう。痛すぎる強さは筋肉が緊張するだけで効果は得られません。
手の届かない背中などは、誰かに押してもらってください。それが無理な場合は、ツボ押しアイテムを使うのもOKです。
シニアに試してほしいツボ12選
全身に361あるツボの中から、シニアにおすすめのツボを厳選し、ツボの正しい位置と期待できる効果をまとめました。
ひざ下
ツボの位置 | ひざ頭から親指3本ほど下 |
期待できる効果 | 胃の痛み・嘔吐・胸やけ・便秘・下痢・ひざ下のむくみ・ひざの痛みすねの痛み・過食・食欲不振・精神不安 |
ひざ裏
ツボの位置 | ひざの後の中央 |
期待できる効果 | 猫背・腰痛・腹痛・ひざの痛み・太ももの裏の張り・排尿障害 坐骨神経痛 |
手の甲
ツボの位置 | 親指と人差し指の間あたり |
期待できる効果 | 頭痛・のどの痛み・めまい・耳鳴り・鼻づまり・鼻水・歯の痛み 腕のパソコン疲れ |
手のひら
ツボの位置 | 手首の横シワの親指側から親指幅1.5本分ヒジ寄り |
期待できる効果 | 頭痛・のどの痛み・せき・息切れ・気分の落ち込み・首のコリ |
わき腹
ツボの位置 | わきを締めてヒジを曲げたとき、ひじの先があたるわき腹 |
期待できる効果 | 腹痛・下痢・嘔吐・肋骨の痛み・顔のたるみ |
へそ上
ツボの位置 | へそから親指4本分上 |
期待できる効果 | 胃の痛み・嘔吐・便秘・下痢・胸やけ・精神不安 |
胸
ツボの位置 | 体の左右中心で、乳頭と同じ高さ |
期待できる効果 | めまい・顔のむくみ・鼻づまり・鼻水・動悸・イライラ・乗り物酔い |
背面
ツボの位置 | 背面の胸高、左右中心から外側に親指幅1.5本分 |
期待できる効果 | 頭痛・顔のむくみ・鼻血・血圧異常・血糖値異常 |
ひざ下外側
ツボの位置 | ひざの下外側に出っ張った骨の前下にあるくぼみ |
期待できる効果 | 頭痛・猫背・ひざの痛み・すねの痛み・疲労感・若返り メタボリックシンドローム |
背面首下
ツボの位置 | 首を前に曲げると出っ張る首の後の骨下へこみから親指幅1.5本分外側 |
期待できる効果 | 発熱・猫背・鼻づまり・頭痛・のどの痛み・肩こり・多汗 |
くるぶし上
ツボの位置 | 外くるぶしからひざに向かって親指幅3本分上 |
期待できる効果 | 股関節の痛み・血圧異常・首のこわばり・寝違え・足首関節痛 ひざ下のむくみ・だるさ |
手首
ツボの位置 | 手首の横シワと親指の外側の縁が交わるところ |
期待できる効果 | 顔色の悪さ・鼻づまり・鼻水・動悸・手首のだるさ・手の関節の痛み |
まとめ
紹介した12のツボを順番に探して、押してみてください。痛いところと、何も感じないところがハッキリとわかります。
痛いと感じたところを、思いついた時にリラックスした気持ちで押してください。1週間も続けていると、何となく体調の変化を感じるようになります。
「何となく体調が良くなった」これが東洋医学の奥の深い治療の真骨頂だと考えています。
シニア世代になって、体のどこかがいつも不調で、痛みを当たり前のように感じていませんか。
ツボ押しボディケアで、痛みの数を減らしましょう。